JR西日本の悲惨な脱線事故から一ヶ月余りたちました。これまでの新聞、テレビの報道を見ますと、ほとんどのマスコミの論調が次のようです。
「JR西日本は、安全性より利益を優先させた」
この議論には、根本的なまちがいがあるのを皆様はお気付きでしょうか?
私は、「経営」の勉強会にもよく出ますが、そこでよく言われることは「利よりも信を大切にすべきだ」と言うことです。これも同じ様に間違っています。どこが間違っているかと言えば「利」と「信(安全など)」を対立した概念として認識されていることです。
「利」と「信」は対立した概念ではなく、人間の右足と左足の様に相互に不可欠で、独自性がありながら、密接に関連しているものです。
考えてみれば簡単なことです。「利」を優先させたJR西日本は、「信(安全)」を無視したために、犠牲者の見舞金、マンションの保障、引っ越し費用、合計で数百億円の「利」を捨てることになります。
「利」を本当に優先させるには、「信(安全)」は欠かせない要素なのです。だから「利を真剣に、根本的、本質的に、長期的に考えなかったために、安全という信を軽視して大事故を起こし、信と利を同時に、大量に失った。」というのが正しい論評です。
どうも、今の日本には、「利」は「悪」で、「信」は「善」だという対立した誤った考え方があります。
「真の利」は「善」であります。歯科医という私の職種も「利」がなければ、最新の技術の勉強にも行けないし、最新の医療機器も購入できません。
「利」は「信(安全)」を支える、保障なのです。悪い「利」があるとすれば、目先の短期的な「偽りの利」です。もう一つ良くないのは、「利」をお客様のために使わずに、私利私欲のために使うことです。最新技術も、最新医療機器も患者様のためです。
こんな簡単なことを、どうして、大新聞や、NHKなどのマスコミは混同し、誤るのか不思議でなりません。 |