先日読了した「邂逅の森」について書きます。
東北のシカや熊を狩猟する「マタギ」という集団の人間群像の話です。
実は私は、かなり以前からこの「マタギ」について興味を持っていました。秋まで、農業をしていて、冬の間、山へこもって狩猟をするのですが、独特の哲学と文化を持っています。山へ入る時には山の神に、「今年も、お恵み下さい」と言ってお祈りをします。山へ入る10日程前から「女絶ち」をして、水ごりをとって、体を清めるのです。そして必要最小限の動物しかとりません。春になって山を降りる時には、山の神へ感謝のお祈りをささげます。
過酷な自然を知り尽くし、自然と一体になって行動しなければ、事故になり生命もありません。自然を恐れ、自然に感謝します。
この哲学こそ、環境破壊の進んだ今、エコロジーのプロとして、とても大切だと思うのです。自然をフロンティア(開拓し挑戦する)と考える欧米人にはない、仏教に通じる思想哲学です。人間も、偉大な自然に生かされている1生物にすぎない。という考えです。
21世紀は東洋アジアの哲学の時代です。「マタギ」は数百年前から、生活の知恵として、そのことの大切さを知っていたのです。 |