−「肉体労働」はは楽しいもの。そして尊いもの−
私の家は貧乏でした。昭和30年代ですから、日本全体が貧乏でした。それでも、これから繁栄にむかう活気エネルギーに満ち溢れていた時代です。
私の母は先を読む人で、父の給料だけでは、子供達を高校にも行かせられないと思い、編物教室を開こうと、私が小学1年の時から数年生徒として編物教室に通っていました。
家事は、小学1年生の私の担当でした。家事と言っても、水道もガスもない時代で、とても時間と手間がかかったのです。
その中で、ご飯炊きは好きでした。大きくて重いカシの木のフタのついた「かまど」で炊きます。ナタで割ったまきは、すぐ火がつきません。新聞紙→杉葉→まきの順番で点火します。
沸騰したら、フタを少しずらし、火を弱めます。すぐフタをしなおして、だんだん弱火にして蒸らすのです。最後の赤くなったまきは、消し壷に入れて消し炭にして又再利用します。
ご飯をおひつに移すのですが、釜の底におこげが残ります。そのおこげにしょう油をたらして、引きはがしておにぎりを作って食べます。これは本当にうまいのです。今は、電子ジャーで炊きますが、とても便利ですが、このおこげのおにぎりが食べられないのはとても残念です。
子供には勉強だけさせるのではなく、家事を積極的に手伝わせ、「肉体労働」の楽しさと、尊さを体験させるべきです。そして、人の役に立つ充実感を味あわせるべきです。 |