少しづつ暖かくなってきました。もうすぐ春ですね。
春は花粉症さえなければ、大好きな季節です。今まで、地面の中でひっそりと隠れていた生命が、いっせいに芽生えます。ふきのとう、竹の子、せり、そして硬いつぼみを破って花が咲きます。
「雪が融けると、水になる」のは化学ですが、「雪が融けると春になる」のは文学です。桜の花が咲き、そして散った後、田植えの季節です。
今は、1人で機械でやっていますが、私が子供の頃は、十数人で集団でお祭りの様に、にぎやかにやったものです。この十数人の単位が部落という集団を作り、持ち周りで、各農家の田植えをやるのです。結婚式も、葬式も、ほとんど日常生活を一緒にやる運命共同体です。
「村八分」という言葉は、「仲間はずれ」というたとえの言葉として残っていますが、昔は、村八分にさせられたら、生活ができなかったのです。この田植えは、子供達にとっては楽しい祭りでした。部落の奥さん達が、ごちそうを作り、子供達にもふるまわれます。
どんどん焼き、十五夜のぼうじぼ、子供達の楽しみの行事も、すべて部落単位です。田舎のわずらわしさは、あったものの、淋しさはなかったのです。
暦は、もちろん太陰暦(旧暦)です。日本は、「水穂の国」の村落共同体の歴史と文化をついこの間まで持っていたのです。 |